「なんかおかしいですか?」

「おしいなあ」

「え?」

「もう少し胸があれば……」

 小野田先輩が、すかさず徳永先輩の後頭部をたたいていた。

 なくて悪かったわね。

自分でもそう思ってた!


 開店してお客様が入ってくる。

 トレンチを持った小野田先輩の腕が私の顔の横を通る。

 ドキドキしてる場合じゃないって。

 徳永先輩、いつの間に第2ボタン開けたの?視線がそっちに行くんですけど。開けすぎ、開けすぎ!

 そんなの王子じゃないし!

 まだ、この前抱きしめられた腕の感触覚えてるのに!