カフェには黒豹と王子様がいます

「あれぇ?西口さんじゃない?」

「ほんとだ。お?制服じゃないぞ」

「私服だ」

「かーわいいー」

 私はペコっと頭を下げると、少し早足になった。

 二人がさっと私の前に来た。私は顔を上げずに二人を避けようとした。

「無視すんなよ~」

「今はプライベートでしょ?」

 後ろに三人がきて、囲まれた。



 こわい


 年下の男の子が怖いと思ったのは初めてだった。

「別に、怖いことしないよ」

「ただ西口さんと話したいだけなんだよ」

 泣きそうな私を見て前の二人がそう言った。

「実を言うと、豊川が、西口さんの事、マジで好きでさ」

「ほんとに、何もしないから一緒にベンチに座ってしゃべってやってよ」