カフェには黒豹と王子様がいます

「徳永先輩……」

「えっと……送って行くよ。いやかな?」

「いやなんて!そんな勿体ない事言いません!」

「なんだよ、勿体ないって」

 爆笑の徳永先輩。

「あの高校生たち、明らかに西口目当てでコーヒー飲みに来てるよね」

「ああ、……そうですよね」

 認めるのはちょっと恥ずかしい。

「うちの客はみんなコーヒー目当てなのに、あいつらだけ、コーヒーをまともに味わってもいない。コーヒーがもったいないよね」

 ……いやー、徳永先輩や小野田先輩目当てのお客さんも相当いますがね―……。

 そっか、こういうのって本人は意外と気がつかないんだな~。

「西口かわいいからさ、あいつらの気持ちがおさまるまで送ってあげるからね」

 なんだか、うれしいような恥ずかしいような気持だった。面と向かって「かわいい」なんて言われちゃったし、舞い上がっちゃった。