カフェには黒豹と王子様がいます

 そんな風に妹に言われて、少し意識し始めると、上杉さん、私のこと好きなのかな?と思えることが多々あった。

 私も上杉さんのそばにいると安らげるし、こんな人がずっと私のそばにいてくれたらなって思う。

 その年の私の誕生日をきっかけに、上杉さんと正式に付き合い始めた。

 
 上杉さんのコーヒーの腕は、どんどん上がった。

 一年後、約束通り『アンシャンテ』に無事に戻ったお祝いの日、上杉さんからプロポーズされた。

「元子さんがそばにいてくれたから頑張れた。元子さんのために、美味しいケーキをどんどん作るよ。コーヒーだって入れてあげる」

 べ、別にコーヒーとケーキにつられて結婚したわけじゃ、ありませんけどね。