カフェには黒豹と王子様がいます

「……ごめん。やめよう」

 徳永さんは私のおでこにキスをして、ソファに座らせた。

「どうしたの……?」

 私の顔をじっと見る。

「……なにもしないからさ、こうやって抱きしめててもいいかな」

「うん、徳永さんがいいなら、それでいいよ」

 私たちはしばらく、ソファで抱きあっていた。

 私はずっと徳永さんの心臓の音を聞いていた。

 お互いの体温を感じて、気持ちが柔らかくなっていくのを感じる。

 少しは癒してあげられたのだろうか。

 しばらくそうしていると、徳永さんは私を腕に抱いたまま、少しうとうとし始めた。

 私は少し起き上がって、徳永さんの顔をじっと見た。

 きれいな顔。

 私は思わず徳永さんの頬を触った。

 徳永さんはパチッと目を開けた。