カフェには黒豹と王子様がいます

 空港に行くと、お店の人みんなが西口さんを見送っていた。

 その中に徳永さんもいた。

 私はちょっと離れたところで徳永さんを見ていた。

 徳永さんはずっと腕組みをしてにこにこしていた。

「見送りありがとうございました。皆さん、お元気で」

「小野田くんによろしくね」

「はい!」

 西口さんが搭乗口の方を向いた途端、徳永さんの腕組みがほどけた。

 徳永さんの手が、西口さんに向かって伸びる。

 私は思わず立ち上がった。

 それに気づいた今日子さんが、徳永さんのもう片方の腕を引く。

 あっちに私がいるよ、という仕草をしていた。

 西口さんの姿が見えなくなっていった。

 徳永さんは、近くのソファに座った。