カフェには黒豹と王子様がいます

 徳永さんはくすと笑う。

 笑わない私を見て、少しだけ笑顔になる徳永さん。

 その笑顔は本物に見えた。



 何度か店に通った。

 愛想笑いの徳永さんが、私には少しだけ本当の笑顔を見せてくれる気がする……なんて思うのは、ただのうぬぼれだよね。


 
 ある日、店に行ったら、徳永さんの笑顔がいつもと違っていた。

「何かあったんですか?」

「え?なにが?」

「いつもと違う……」

「まいったね、君に隠し事はできないなあ」

 そう言って、またあの作り笑顔。

 どうしたんだろう。

 私は、徳永さんがバイト終わるのを待っていた。

 ガチャ

 戸が開いて、徳永さんが出てきた。

「あ、とくな……」