カフェには黒豹と王子様がいます

 

「もうサイテーだったねあの人!あの店だってもう行かない!」

「……そうだね」

 次の日、麻由佳は徳永さんの悪口ばかり言っていた。

 徳永さんのどこを見ていたんだろう。

「香織も、もう行かないよね!」

「……そうだなあ~」

「え?行かないでしょ?あんな人がいる店!」

 あの人にはもう会いたくないけど、あの店のケーキを食べられなくなるのはつらいな。

「もー行かないって言ってよ~」

「わかったわかった」


 お昼頃、学生証がないことに気が付いた。

 『コンフォート』で落としたのかもしれない。

 探しに行かないと……。

 気が重かった。

 今、麻由佳に行かないと約束したばかりなのに。