カフェには黒豹と王子様がいます

「いい加減なこと言わないで」

「愛のキスで魔法が解けるんだよ」

「何それ」

「誰か愛のキスで、僕の笑顔取り戻してくれないかな~ってさ」

 と笑顔で私を見る。

 作り笑顔で。

「そんな簡単な愛じゃ、ダメなんじゃないですか?」

 と言ってにらむと、徳永さんの笑顔が少し寂しそうになった。

「まいったね……」

 徳永さんは私の手を離した。

「もう帰れ」

 私は走って帰って行った。