カフェには黒豹と王子様がいます

 徳永さんはにっこり笑うと

「どこか行こうか」

 と言った。

 麻由佳は嬉しそうに返事をする。

 なんとなく、嫌だった。

 この愛想笑いの徳永さんが、信用できなかった。

 私は麻由佳を引っ張った。

「ちょっと待ってください。どういうつもりなんですか?」

「香織?」

「どういうつもりって、遊びに行こうかって思ってるだけだけど?」

「麻由佳は真剣なんです!そんな遊びみたいな付き合いがしたいわけじゃないんです!」

「じゃあどんな付き合いならいいの?」

「だから!」

 徳永さんは、私に背を向けた。

「君に聞いてないよ。麻由佳ちゃん、だっけ?」

「はい!」