「と、徳永さん!」

「ん?なに?」

「これ、読んでください!」

 麻由佳が徳永さんに手紙を渡したいと言うので、付き合った。

「キャー渡しちゃったー」

 麻由佳は女の子っぽくてかわいい。

 私はどっちかっていうと、「かわいくない女」

 作り笑顔が苦手なので、笑わない女と言われたこともあった。



 高校3年で麻由佳と仲良くなった。

 行ってみたい店があると言うので付き合ったら、『コンフォート』だった。

 麻由佳には悪いけど、私はここの常連。

 麻由佳は店に入ってからずっと、徳永さんがかっこいいと言い続けた。

 私は……徳永さんが苦手。

 愛想笑いができない私にとって、この愛想笑いばかりの笑顔が嫌いだった。