カフェには黒豹と王子様がいます

「たまには店にも顔出してやれよ。マスター、寂しがってたぞ」

「……はい」

「じゃあ、俺……行く……から」

 俺の手が西口から離れる。

 その瞬間、西口は俺に抱き付いた。

「小野田先輩!私、小野田先輩が好きです!」

 ……え?

「え?!だ、だってお前、徳永と……」

「ごめんなさい……ごめんなさい……ごめんなさい」

「に、西口……?」

「私……きっとこのままの方が、徳永先輩をもっともっと傷つける」

「西口……」

「一緒にいても、徳永先輩、心から笑わないんです。私のせいです」

 まて、ちょっとまて。

「いいんです。ごめんなさい」

 西口は俺からパッと離れた。