カフェには黒豹と王子様がいます

「小野田先輩!」

 え?今の声は……

 タクシーの扉が閉まるのを止めて、タクシーから降りた。

 西口の姿が見える。

 本当か?

 目の錯覚じゃないのか?

 今の声は……!

 声が出たのか?!

 俺はあわてて西口のそばに行った。

「お前……今、声……」

「声……でた」

 涙が出る。

「よかった……よか……った……」

 西口が俺の腕にそっと触れた。

 想いが爆発した。

 良かったという思いと、好きだという想いがあふれて止まらない。

 西口の頭をつかんで自分の胸に押し当てた。

 壊れそうなぐらい強く抱きしめた。