「今日はもうやめましょう、三人とも西口ちゃんから離れて」

 見かねた竹本さんがストップをかける。

 徳永はすっと立ち上がり、俺の方に来た。

「小野田、西口に何した」

 わかんねえ。わかんねえんだよ。

 俺なんかしたのか? 

 徳永から目をそらすと、徳永は必死で拳を抑えていた。

 殴られる。

 俺はぎゅっと目をつぶった。

「西口の涙の原因が本当にお前なら、……たとえお前でも許さねえから」

 徳永は低い声でそう言うと、向こうに行ってしまった。

 初めて徳永に「お前」と言われた。

 初めて徳永の怒りをかった。

 西口、俺お前に何したんだ?

 豊川が向こうに行った後、竹本さんに西口と二人で話したいと言ったが、西口は首を振った。