カフェには黒豹と王子様がいます

「みなさん、お騒がせしています。どうでしょう、新作のケーキが出来上がったところです。試食していただけませんか?コーヒーもサービスでお出しします」

 おいしそうなケーキの山を持って現れたのは、マスターだった。

「今、店の外に出る方が危ないからね」

 こそっと耳打ちしてくれた。

 この店のお客さんの大半はマスターのケーキが大好きなので、みんな席に座りなおした。

「西口さんこのケーキ配ってね。今コーヒー入れるから」

「はい」

「笑顔でね」

 そうだ、私が不安そうな顔していたら、お客さんに伝わっちゃう。

 外のことは気にしないと心に決めた。

 ケーキを配っている間にパトカーの音がした。徳永先輩は怪我とかしてないだろうか。小野田先輩は……?

 ケーキとコーヒーを配り終え、そっと外をのぞいた。