カフェには黒豹と王子様がいます

 聞こえたか?

「ああ、もう大丈夫、悪かったな。西口も……」

 西口の顔が、なぜか見れなかった。

 だから昨日のは熱のせいだと、何度も自分に言い聞かせた。

 少しバタバタして、ケーキフェアの試作を食べたりしているうちに、西口とも普通に話せるようになった。

 元子さんが帰った後、西口が俺のそばに来る。

 な、なんだよ。

「今日徳永先輩、口数少なかったですよね。」

 ああ、徳永の事か。

 気になっていたのか。

 そうだよな。

「……ああ。あいつ元子さん苦手っていうか、元子さんに弱いから」

「え?どうしてですか?」

「んー、元子さんがどうっていうんじゃないんだよ。ただ、似てるからさ」