カフェには黒豹と王子様がいます

 徳永は徳永で、フェア準備に来てくれた博子さんにそっくりの元子さんを、そんな切ない目で見てんじゃねえよ。

 全くどいつもこいつも。

「早く帰ってくんないかな」

 何言ってんだ、徳永。

「もういいかげん忘れたんだろ?」

「わすれたよ」

「それでも顔見ると、か?」

「わかってるんだよ、あの人は博子さんじゃないってな」

「しっかりしろよ」

「ああ」

「それより僕はお前らの方が気になるよ」

「あ?」

 そんなに顔に出てたか?

「……それで、小野田、熱下がったのか?」

 なんだよ急に。あ、ああ西口。