カフェには黒豹と王子様がいます

「あたしのあの人の彼女が、あんたの元カレ……」

「ふ、複雑だな」

 西口に前に付き合っていたやつがいた。

 何ショック受けてんだ俺。

 俺は別に西口の事なんて何とも思ってねえのに。

 次の日からしばらく、西口はため息ばかりついていた。

 まだ、あいつのことが忘れられなかったのかな。

 俺は徳永に相談し、西口を……まあ竹本さんも、何とか元気づけたいと言った。

 徳永は、煎茶の道具を用意してくれた。

 煎茶見て、博子さんのこと思い出したりしないのか心配だったが、今は西口の方が大事みたいだ。

 そんな徳永の様子に、ちょっとほっとした。


 
 それから間もなくマスターが復帰した。

 
「西口、だいぶ慣れたよね」

「ああ。お客様の気持ち考えられるようになったな」

「動けるようにもなったしね」

 徳永がいとおしそうに、西口を見る。