カフェには黒豹と王子様がいます

 ああ、イライラする。

「おまえ、いいかげんにしろ。顔に出すぎだ。しばらく洗い場に入ってろ!」

 と言った瞬間だった。

 男の手に光るものが見える。

 やべえ!

 俺は客の間をすり抜ける。その間に携帯で警察に電話。

 外に出ると、カッターを持った男の腕をつかんだ。

「警察呼びますよ」

 携帯は警察につながったままだから、この会話を聞いて警察も来るはずだ。

 その時、西口が顔を出す。

 バカ野郎!こいつ、カッター持ってんだぞ!怪我したらどうするんだ。

「西口!仕事に戻れ!今フロア、がら空きだぞ!」

 西口が店の中に戻ると、徳永は冷静に言った。

「小野田、やめろ。いいんだ。僕この人に刺されても別にいいよ」