カフェには黒豹と王子様がいます

 西口の表情が変わる。感情が戻ってくる。

 やっぱり小野田じゃないとだめなのか!

 でも、西口は感情が戻るのを怖がって僕にしがみつく。

 だめだ。

 こうなった原因は、僕が西口を甘やかしたからだ。

「元の西口に戻ってほしいんだ。……僕の力じゃ、無理だ」

 西口は僕を抱きしめる。

 本当は、本当は、この手を離したくない!

 もう人形のままでもいいから、西口を自分だけのものにしたい!

 僕は西口を抱きしめ返した。

 離したくない離したくない離したくない!

 でも

「早く行こう!こんなところで立ち止まっている場合じゃない」

 また西口の感情が戻る。

 西口が涙を流す。