カフェには黒豹と王子様がいます

 また泣かせる。

 傷つける。

 そして、僕から離れていく。


 ふっと話が止まると、西口が心配そうにのぞき込んだ。

 僕は西口に近づいた。唇がギリギリまで近づいても西口からは近づいてこなかった。

 僕は顔をそむけた。

 ダメだ!

 これじゃダメた。

「西口ごめん!僕は卑怯者だ!」

 僕は西口の手をつかみ、西口を立たせた。

 よくわからないという表情で付いてくる。


 カフェ『コンフォート』に向かっているという事がわかると、急に立ち止まって首をふった。 

 僕は西口の顔をあげて、隠していた事実をはっきりと言った。

「聞いて。……小野田は、今日フランスに行く」