カフェには黒豹と王子様がいます

 これ以上ここにいると、何をするかわからない。

 僕はなるべく急いでその場から離れた。


 しばらく勉強に打ち込もうと思ったが、頭に入らない。

 間を見つけては、病院に行った。

 そばについていた竹本さんも仕事に戻ったらしい。

 西口は大抵ぼんやりと外を見ている。

 小野田の事でも考えているんだろうか。

 話しかけることもできず、かなり長い間、ぼんやりしている西口を見ていた。

 一度お花を持って行ったら、そのお花をずっと見ていたので、行くときは毎回小さくてもお花を持って行った。

 豊川は毎日来ているらしかったが、なるべく会わないようにした。

 小野田も何回か来ていたことは知っている。


 ある日、看護師さんに、「今日はとても落ち着いているから、話してあげて」と言われ、勇気を出して扉をノックした。

 久しぶりに西口の目が僕を見つめる。