カフェには黒豹と王子様がいます

 西口の目から、涙があふれる。

 また泣かせた。

 西口のそばにいた竹本さんが、ストップをかけた。

 ダメだ、今の僕は、西口を泣かすことしかできない。

 そんなつもりはないのに。

 立ち上がって西口に背を向けると、小野田が見ていた。

 僕は小野田の前に行った。

「西口に何した」

 小野田は僕から目をそらした。

 怒りが抑えきれなくなる。

 僕は自分の握りこぶしをぐっと握っておさえた。

 西口の前で小野田を殴っちゃだめだ。自分にそう言い聞かせた。

「西口の涙の原因が本当にお前なら、……たとえお前でも許さねえから」

 それだけ言うのが精いっぱいだ。

 初めて小野田が僕におびえた顔をした。

 もうだめだ。