カフェには黒豹と王子様がいます

 その日、病院の庭で、何があったのかお互い話すことになった。

 豊川が涙を流して西口のそばに行く。

 そんなにそばに行くんじゃねえ。

 西口に近づくな。

 西口に触れそうなほど近くにいるだけで、殴り飛ばしたくなる。

 その気持ちをぐっとおさえた。

 僕はあの日の状況をなるべく冷静に話した。

 小野田が怒る。豊川が叫ぶ。

 その時、豊川が西口の手を握った。

 それには我慢できなかった。

 僕は豊川の肩をつかんだ。

「離れろ」

 僕が相当怒っているのが伝わったらしく、豊川はすぐに手を離した。

 僕は一番聞きたいことを西口に聞いた。

「小野田となんかあった?」

 西口が僕の顔を見て怯えた。