カフェには黒豹と王子様がいます

 少し気持ちが落ち着いた。

 僕はそっと西口から離れた。

「ごめんな、西口」

 西口は、元子さんと博子さんの事を教えて欲しいと言った。

 西口にだけは事情を知られたくはなかった。

 でも、知っておいてほしいとも思った。

 僕はマスターと僕が親戚関係にあるというところから話した。

 あまり話したくないところはぼやかした……つもりだった。

「あ!小野田先輩が言ってた、元子さんに似てるっていう、昔本気で好きだった人って……!」

 もう本当に勘弁してくれ。

 僕は西口の口をふさいだ。

「えぐるなよ。いろいろあったんだからさ」

「ご、ごめんなさい!」

 ため息をついて、西口を見つめた。

 西口はまだ何やらいろいろ考えてる。