カフェには黒豹と王子様がいます

「でも、西口は小野田が好きなんじゃないかな?」

「俺から見たら、お前のことを好きなように見えるけどな」

「わかんないね、女の子って」

「女の気持ちをわかろうとしてるお前、初めて見たよ」

「ひどいな」

 熱がある小野田は素直でおしゃべりだった。


 五周年のケーキフェアの打合せで元子さんが店に来た。

 やっぱり元子さんを見ると博子さんを思い出す。

「早く帰ってくんないかな」

 ぼそっと言うと、小野田が聞いていた。

「もういいかげん忘れたんだろ?」

「わすれたよ。」

「それでも顔見ると、か?」

「わかってるんだよ、あの人は博子さんじゃないってな」

「しっかりしろよ」

「ああ」