カフェには黒豹と王子様がいます

 僕のせいだ。

 ちゃんと、小野田に送ってもらえと言うべきだった。

「ちょっと自販機行ってくる」

 小野田は飲み物を買いに行った。

 僕はどうしてあげたらいいかわからなかった。

 西口の震えをどうしたら止めてあげられるのか。

「……抱きしめても……いいかな?」

 そっと抱きしめると、西口は小さな小鳥のように震えている。

 壊れそうな細い体。

 そっと頭をなでると、少しだけ震えが収まってきた気がした。

「もう、怖いめにはあわせないから」

 こくんとうなずく西口が、少しいとおしく感じた。


 その後は高校生が店に来ることもなくなった。

 たまに西口を好きだと言っていたアイツがちらっと店の外に現れたりはしたけれど、絶対に入っては来なかった。