カフェには黒豹と王子様がいます

 僕は正直どうでもよかった。

 いや、少しうらやましかったのかも知れない。

 そこまで好きな女がいるっていうのは、幸せなんじゃないかな。

 僕は、博子さん意外に本気になれる人なんて、正直いないと思うから。

 男がカッターを出したときも、刺されてもいいと思った。

 だから驚いた。

 小野田が、カッターを持った男の手をつかんだ時は。

「小野田、やめろ。いいんだ。僕この人に刺されても別にいいよ」

「何言ってんだお前!」

 その時男が暴れた。

 持っていたカッターが小野田の腕を切る。

 怒りが沸き上がる。

 僕が男を殴ろうとした瞬間に、警察に抑えられた。
 
「ごめんな、小野田」

 僕は警察で何度も小野田に謝った。

 僕のせいで小野田にケガさせた。