カフェには黒豹と王子様がいます

 フイといなくなる小野田先輩に代わって、徳永先輩が私の前に座った。

「体、しんどくないのか?」

 うなずく私の頭の中は、さっき聞いた小野田先輩のフランス行きの話でいっぱいだった。

 辛い、苦しい。小野田先輩がいなくなるなんて、そんなこと考えたくない。

 息ができない。

 徳永先輩が私の手を握った。

「西口……?どうした?つらいのか?」

 ふっと息が楽になる。

 徳永先輩といるのは楽だ。

 辛くて苦しくなるだけの小野田先輩より、今は、徳永先輩のやさしさに甘えたい。

 私はぎゅっと徳永先輩の手を握った。

「店、出ようか」

 徳永先輩のその言葉に従った。