カフェには黒豹と王子様がいます

 久しぶりの小野田先輩。

「あんまり……病院に行けなくて、ごめん」

 首をふる。

「まだ、声、出ないんだな」

 涙が出そう。

「あ、そうだ、俺さ、フランス行くから」

 はっと顔をあげた。

 小野田先輩がフランスに行っちゃう。

「もう……決めたんだ」

 私はあわてて紙に書いた。

『いつ?』

 それをじっと見る小野田先輩。

「……来月」

「西口!」

 ほとんど同時に聞こえたその声は、店の入り口にいる徳永先輩だった。

「ここにいたのか。家に行ってもいないから心配したよ」