カフェには黒豹と王子様がいます

 小野田先輩は、パッと豊川くんを見た。

「裏のソファに豊川が座ってて、……怒りが収まらなくなった」

「……てめえ、西口に何した」

 つかみかかろうとする小野田先輩を、竹本さんが止める。

「やめなさい!」

 豊川くんが小野田先輩をにらむ。

「お前のせいだよ。そうとしか考えられない」

「何言ってんだ!」

 私は三人から顔をそらせた。

「昨日西口さんは、泣きはらした目でバイトに来て、ずっと頑張ってたんだ。でも、あんまり辛そうだったから裏で休んでいいよって、言ったんだ」

 私のそばにしゃがみ込んでいる豊川くんは、私の手を握って、私を見上げた。

「だから言ったろ?こんなやつやめて、僕にしときなよ、西口さん。どうして泣いてたのか、本当の所は分からないけど、僕なら絶対にこんなつらい思いはさせないよ!」