カフェには黒豹と王子様がいます

 最初に豊川くんが私に駆け寄ってきた。

「西口さん!本当にごめん、あの時僕が徳永さんを殴って、徳永さんが西口さんにぶつかったんだ。……西口さんが怪我したのは、……僕のせいだ」

 豊川くんはぽろぽろと涙を流して、私が座っているベンチの横にしゃがみこんだ。

 私はちょっとだけ微笑んで、首をふった。

「西口……ごめん。怪我……させた」

 徳永先輩が辛そうに私を見る。

 徳永先輩を見て、首をふった。

「俺は、その場を見てないから、状況がつかめてないんだ。徳永、豊川、説明してくんねえかな」

「昨日、小野田バイト休みだったから、大丈夫かなと思って講習終わった後、店に行ったんだ」

「うん」

「そしたら、泣きじゃくっている西口が、裏から出てきた」