カフェには黒豹と王子様がいます

 私は向こうを向いた。

 何の話をすればいいんだろう。

「西口ちゃん、何があったのかわからないけど、私も、一回話しをしてみたらどうかとは思うわ」

「今日はお天気もいいし、お庭に出てみたらいかがですか?」

「そうします」

 竹本さんは、私をゆっくり起き上がらせた。

 そして、病室を出る。

 三人の前を通るとき、「聞いていたわよね」という合図をした。


 病院の庭にベンチがあったので、竹本さんは私をそこに座らせた。

 少し時間差で三人の姿が見えた。

 もう涙が出そうだ。

「私どうしたらいい?向こう行っていようか?」

 竹本さんは私の顔を覗き込む。

 私は首を横に振り、竹本さんの服をつまんだ。