カフェには黒豹と王子様がいます

 またふっと意識が遠のいた。


 次に目が開いたとき、竹本さんが私のそばで寝ていた。

 私の手を握ってくれていた。

 竹本さんは、私が目が覚めたことに気が付いて、起き上がった。

「大丈夫?元子さんは一回帰ったわ……なあに?私の顔見るなり泣くとか」

 涙が止まらないんだもん。

 私の涙腺壊れちゃったんだと思う。

 竹本さんにいっぱい話を聞いてもらおうと思ったのに、声が出ない。


「声が出ない?」

 徳永先輩も、小野田先輩も、豊川くんも、帰ることができず、でも、病室にも入れず、ずっと私の病室の前にいたらしい。

「頭を打ったせいか?」

 心配でたまらないという声の徳永先輩。

「まだ病室に入っちゃダメなの?」

 今にも泣きだしそうな豊川くん。

 病室の入り口近くにもたれている小野田先輩の背中。