「西口さん!」

「と、豊川くん、どうしたの?」

「待ってました。ちょっと話したくて」

「なに?」

「えっと……まずは、五人でお客さんで来ていた時の事、謝ります。本当にごめんなさい」

「もういいよ」

「でも、僕はずっと西口さんを忘れられなかったんだ。西口さんが好きで好きで好きで好きで!」

「やめて」

「会いたくて仕方なかった」

「……」

 いきなり手をぎゅっと握られた。

「何?離して!」

「やだ。今、手から伝えてるの。僕の気持ち」

 豊川くんは手にお祈りするように私の手を握って離さない」

「伝わった?」

 上目づかいで私の顔を見る。

 ちょっとかわいいけど。