カフェには黒豹と王子様がいます

 小野田先輩が徳永先輩に何やら話に行った。

「……もういいかげん……だろ?」

「わかってる……あの人は……」

 ああ、何話しているのか、気になる。

 元子さんの方をちらちら見ているところをみると、元子さんの話をしているんだろうけど。

 私が近付くと、あわてて話を変えたみたいな態度。

「……それで、小野田、熱下がったのか?」

「ああ、もう大丈夫、悪かったな。西口も……」

 小野田先輩は私とパチッと目が合うと、目をそらせた。

 私もなんだか、顔が熱くなる。

 小野田先輩の、あのすいこまれそうな瞳がよみがえる。

 だめだめ!仕事しなくちゃ!

 
 そのあと元子さんは厨房に入って、マスターとケーキ盛り合わせの試作を作っていた。