カフェには黒豹と王子様がいます

「……西口は知らない方がいいと思うから」

「徳永せんぱ……!」

「あ、お客さんが呼んでる」

 徳永先輩は意味深に、にやっと笑ってフロアに出て行ってしまった。

 私は知らない方がいい人……。やっぱり、小野田先輩の彼女ってことよね。

「西口!何ボーっとしてる?お客様来てるぞ!」

「あ、はい!」

 うう、あの子の前で小野田先輩に叱られた。

 なんか笑われてるし。

「オーダー上がったよー。3番テーブル」

「あ、はい!」

 あの子の所だ。

「西口、いい、それ俺の客だから」

 小野田先輩は自分のトレンチにケーキとコーヒーをひょいと乗せ、3番テーブルにいそいそと向かう。