カフェには黒豹と王子様がいます

 頭をぶんぶん振って、冷静に戻ろうと思った。


 でも、いざバイトに行って小野田先輩と徳永先輩に会ったら、ドキドキが止まらない。

 小野田先輩と手がぶつかっちゃって動揺してタンブラーを割るし、なんか怒られても、夢で見た小野田先輩のはにかんだ顔が忘れられないし。

 そう言えば私、現実に徳永先輩に抱きしめられたことある!ってこと思い出しちゃって、徳永先輩がそばに来ただけで逃げちゃうし。

 今日のバイトはボロボロだった。

「西口さん」

 マスターの声聞くと、ほっとする。

「はーい」

「竹本さん来てるんだけど、西口さんと話したいって」


 裏に入ると、竹本さんがソファに座ってにやにやしていた。

「お久しぶりです」

 マスターが竹本さんに出したケーキを、竹本さんは私の目の前に置いた。

「ちょっとこれ食べて落ち着きなさい」

 
そのケーキは紅茶のムースだった。