いつかウェディングベル


渡した資料を食い入るように見る吉富さんと蟹江さん。


本当にこんなのが実現するのか?という表情をしていた。


その気持ちは分からなくはないが、これくらいやらなきゃ全員参加はかなり厳しいだろうね。


会社の為だから透も協力してもらうわよ。


持ってきた資料を他の人たちへも配った。


特に部長と課長には理解を貰わなければならないから。


けれど、資料を手にした部長たちは目が点になっていた。


「10代から20代、30代、40代、50代と各年齢層で募集するんです。
今回の新商品の中から気に入った服を選んでもらうと各年代でどの商品が人気あるのか分かりますよね?数字データとしてハッキリと残るはずです。そこでそれぞれ上位商品をwebサイトで紹介する際に、応募した中の各年代から3名程度を選出し、自分が選んだ商品のモデルとなってwebサイトを飾ってもらうんです。」


慎重な吉富さんはいきなりの提案に少し戸惑っていた。


だけど、若手社員の坂田さんや岩下君は面白そうだと直ぐに共感してくれた。


「それに、今後の参考にもなるアンケートも同時にとってはどうかと思います。それと、モデルになった人からは商品を試着した際のコメントを貰いそれをサイトで紹介してみてはどうでしょう?」


社員全員の参加型という企画で会社全体を盛り上げる効果もあるし、勢いで社内が明るくなるしやる気も起きる。


たまにはこんな楽しい企画があってもいいと私は思うんだ。


「そのアンケートは私に任せて! 欲しい質問とかあったのよ。
皆の意見を聞けるのは販促には大事なことだしね。」


蟹江さんの心も動かせたようだ。社員全員参加型と言う面白味に食いついた?


「あ、じゃあ、俺はホールの受付カウンター準備する! 出来るだけ多くの社員に参加してもらいたいからね。声掛けも任せて!」


珍しく仕事に真面目な江崎さんだ。この調子で企画を成功させるために働いて下さいね。