いつかウェディングベル

会社全体から送られてきたデータの集計となるとかなりの数になった。思った以上の反響だったようだ。



それだけ女子社員は透とのツーショットを夢見ているのか?と少し不安にもなった。



もしかしたら、この中の美女が透とツーショット撮影し、それがきっかけでその女子社員と深い仲になったらと、そんなよからぬことばかりを考えてしまう。



透に何度プロポーズされても断っているのに、透に新しい恋人が出来るのを嫌うなんて私はあまりにも身勝手すぎる。



そんなのは自分勝手な振る舞いだ。だから、透が他の誰かと付き合いたいと言えば私は透の息子の母親になるだけで、透との関係は全くなくなってしまう。



それは、覚悟しなければいけないことだ。



そんな覚悟が今の私にできるのだろうか?



透に抱きしめられると胸が破裂しそうな程ときめくのに。



昔の気持ちが溢れ出てきて自分でも止められないでいるのに。





「田中さん? どうしたの?  顔色が良くないわよ?」



「いえ、大丈夫です。平気ですから。」



蟹江さんや坂田さんが心配そうに私の顔色を伺っている。



そんなに私の顔色って悪いのかしら? きっと、不安に感じているその感情が顔色に出ていたのかも知れないわね。



まだ、ありもしないことで落ち込んでいる暇は私にはない。 今はこの仕事に集中するのよ。



皆での作業は最初は賑やかで煩いものかと思っていたけれど、想像とは異なり思った以上に静かなもので集計作業にみんなの意識が集中していた。



その集中力にかなり作業が進んで行った。