いつかウェディングベル

第2会議室での集計作業に透は来なかった。



透がこんな作業の時から顔を出すはずはないわよね。何を期待していたんだろう。



専務という立場の透にはもっと重要な仕事が沢山あるはずなのだから。



私達が集計しある程度の資料を作り上げた後に透は会議と名の付く集まりへ参加する。



透は最初から最後までこの企画の作業に携わるわけではないのだから。



「じゃあ、俺と岩下と田中、残りの江崎と蟹江と坂田、この二つに分かれて集計作業をする。俺達は20代と30代、蟹江、君たちは40代と50代の集計をしてくれ。」


吉富さんと同じグループというのは意図的なもの?


それともバランスを考えての結果?


今日の吉富さんには素直に反応できなくなっている。


「ああっ、なんで吉富っていつも俺の田中さんと一緒なんだぁ?! お前、わざと俺を田中さんから引き離しているな!」



江崎さんは悪い人ではないけれど、少々困った人と言えるかもしれない。


それでも、吉富さんのような個人的に執拗なアプローチは殆どなく、どちらかと言えば、このようなみんなと一緒に居る時におふざけでやっているように感じる。



だけど、仕事でグループ分けしただけなのに江崎さんに駄々をこねられるのは迷惑な話になる。



私が原因で仕事に遅れが出てしまっては企画発案者としては評価がマイナスにならないとも限らない。



「じゃあ、こうしましょう。男性と女性に別れるの。それでいいでしょう?」



こんな時の救いの神は蟹江さん。


吉富さんの女バージョンのような人だと私の中ではそんな位置づけをしている。


彼女の発言はその場の状況をよく理解したうえでいつも発言してくれるから、蟹江さんの言葉には江崎さんも文句なしで従ってくれることの方が多い。



「まあ、蟹江さんがそういうなら。」



結局は男性と女性に分かれて作業をすることになった。