面倒くさい。

俺はただ家の跡継ぎの勉強をして

親の敷いたレールの上で生きる。

別に特定の女も作らないし

別に特定の友達も作らないし

成績トップのまま高校卒業できればなぁーって。

そうとしか考えたことがなかった。

有栖川財閥とならぶ世界5つの5つの指に入る財閥の御曹司だの

よく出来たお子さんとか

そんな社交辞令してもなんもいいのこないっつーの。

母から習っていたバイオリンとか

跡継ぎの邪魔になるだけだ、とか

母と親父が家系上離れ離れなった瞬間から

楽器に触れてないし

好きな事も物も

ー好きな人も勝手に決められる、

そんな運命なんだろうな。

「いつかバイオリンをひきたい」

そんなことを思ってた矢先。

一生引けなくなってしまうかもしれない出来事が起きる。