声が、出ない?

うそ、でしょう?

歌えないの?

楽しく歌うことはもうできないの?

いやだよ、そんなの。

涙を流しているのも暴れるのも忘れて

ただ、ただ叫んだ。

ーこの声、届いて、

って。

ーもう一回歌わせて

って。

泣き叫んだ

そんな時に「大丈夫?」って手を差し伸べてくれたのは

紛れもないあなたでした。

今まで偽りの自分を本当の自分にしてくれたのは

いつも笑顔のあなたでした。

あなたがいなかったら私は今ここにいなかったかもしれないの。

お互いレールの敷かれた人生で

今まで生きてきたけど

この病院が、この世界が、

この苦しみがなかったら今はなかったと思う。

全てに感謝する。

でも。本当の本当を知らなかったのは私達だった。

「っ!涙を越えていくの┈

涙の向こう側にいくの!」

偽りでも私は嬉しく思えた。

あの日々┈

あの場所。

本当にありがとう。

そして、本当にごめんなさい。