さぁ、オレと恋をしてみようか

突然、千織さんがコチラを向き、わたしと目が合う。


驚いて、思わず背筋をピンと伸ばし、言葉を待った。


「芽衣子、どこで働いてるの」
「え?あ、そっか。言ってませんでしたね、そういえば。あの〝miwa〟ってパン屋さん知ってますか?100円なんです、すべて。そこで2年前からお世話になっていて。ね、真守さん?って、あれ、いない…?」


さっきまでココにいた真守さんに声をかけると、彼の姿はもうどこにもいなく、店内をキョロキョロと見回した。


「なに、あいつに惚れたとか?」
「えっ!?そ、そんなんじゃないですっ!ただ、さっきまでいた人がいなくなってたから驚いただけで……」


なんかわかんないけど、ピリピリしてる…?


真守さんが言ってたのは、このことだったの…?


「あー、ごめん。なに言ってんだろ、オレ。今の聞かなかったことにして。で、〝miwa〟だっけ?あー、100円って安さだけど、その辺のパン屋より種類もあるし、美味しいってお客さんから聞いたことはあった。でも、まだ行ったことはないんだよね。そっか、そこで働いてるんだ。今度、買いに行ってもいい?」
「も、もちろんです!!わたしに権限はないので、100円より安くはできませんが、千織さんなら大歓迎です!!」


って、わたしガッツきすぎ?こんな〝大歓迎〟なんて言ったりして、引かれてない?大丈夫?


言ってしまったあとに、後悔しちゃうなんて…。ダメだな、わたし。