さぁ、オレと恋をしてみようか

ちょっと不安だったわたしに、お母さんは優しい声で、わたしの名前を呼んだ。


「芽衣子が選んだ人なら、お母さん誰だって反対しないよ。まぁ、相手に奥さんがいるっていうなら話は別だけどさ」


あー、この人はホント、ふざけてるようで最後は、こうやってわたしを思ってくれるんだよね。


結婚はしてないはず。左手の薬指に、指輪してなかったし。でも…。


「ねぇ、お母さん…」
「ん?」
「結婚はしてないと思うけど、彼女はいるかもしれないよ…」


だって37歳だし、結婚前提に付き合ってる女性がいたって、おかしくないもん。


あれ?なんか千織さんに彼女がいるって想像したら、胸がチクンってする。


やっぱり、これって〝恋〟なのかな。


「そんなに気になるなら、聞いてみなよ。〝彼女いるんですか?〟って」
「そ、そんなこと聞けないよ!!」
「どうしてよ。普通の会話として、自然に聞けばいいじゃない」


〝普通の会話で〟って…。そんなのお母さんはカンタンに聞けるかもしれないけど、わたしにはカンタンじゃないんだよ…。