さぁ、オレと恋をしてみようか

あーもう、ほんとバカ。これじゃあ、ホントに万引きしてるみたくなってる!!


そう思うのに、足は止まらなくて。


だけど、運動が苦手なわたしは、カンタンに捕まってしまった。


「つ…かまえたっ」
「……っ、」


お兄さんの手によって、わたしは動くことができなくなり、おとなしく立ったまま、お兄さんが喋るのを待った。


「これっ……」


まだ息が上がってるお兄さんは、ゼェハァ言いながら、差し出してきたのはお金。


「……〝ちょうど〟じゃなくて、多かったから…っ、」
「え」


そう言って手にのせられたのは、10円玉。


ビックリしすぎて、お兄さんをただ見つめると、相当疲れたのか、太腿に両手を置き、呼吸を整えているようだった。