さぁ、オレと恋をしてみようか

それは、仕方のないこと。昨日あったことが、奇跡だったのかもしれないし。


こんな夕方に来るんだもん。なくなってたって、おかしくない。


「じゃあ、また来てみますね」


そう言って、お兄さんに背中を向けた時、「あー、待って!」と、声をかけられ振り返った。


「プリンはないけど、ボクのオススメの杏仁豆腐があるんだけど、食べてみない?」


あ。また〝ボク〟に戻った。きっと接客してる時は〝ボク〟って言うようにしてるんだろうな。


「杏仁豆腐、ですか?」
「うん。キライ?」
「いえ、好きです」
「あー、ならよかった!じゃあ、店内へどうぞ」


お兄さんの言葉に誘われるようにして入ったお店の中は、当たり前だけど昨日と同じで、少しだけホッとした。


「コレなんだけどね」


そう言って渡してくれたのは、プリンよりも少し大きめの容器だった。