さぁ、オレと恋をしてみようか

「ホントに、チガウんだけどなぁ」


ボソボソと呟くお兄さんは、ポリポリと頭をかいていて、そんな姿をわたしは黙って見つめていた。


「あー、そうだ。プリンは食べた?」
「あ!そうだ!プリン買いに来たんだった!!」


お兄さんにプリンのことを聞かれ、今日の目的を思い出した。


「忘れてたの?」
「あ…えと、はい…」


この数分で、いろんなことがあって忘れてたとは言えず、曖昧な返事をするしかなかった。


「あの、母が…って、わたしもですけど、すごく美味しいね!って言ってて、それで母に今日も頼まれてしまって」
「あー、そっかぁ」


お母さんに頼まれたことを告げると、お兄さんは少し複雑な顔をして見せた。


不思議に思い、首を少し傾げると、お兄さんは、わたしの視線に気付くと言った。


「せっかく来てくれたのに申し訳ないんだけど、今日あのプリンは売り切れちゃったんだよ」
「あー、なるほど」