さぁ、オレと恋をしてみようか

間違っても開かないように少しだけ、離れたところに立つ。


昨日お母さんが、変なこと言うから!


わたしは、ただプリンを買いに来ただけ!


別に、お兄さんに会いに来たわけじゃないんだからっ。


よしっ……と、深呼吸をして一歩踏み出した時だった。


「やぁ」
「わぁっ!!」


突然、自動ドアが開き、昨日のお兄さんが出てきて、驚いた拍子にバランスを崩した。


「……っと、あぶね」
「……っ、」


と、同時にお兄さんの手が、わたしの手首をキュ、と掴んだ。


咄嗟のことだとはいえ、男性の手に肌を触られるのは、ほぼ初めてのことで、声にならない声が出てしまった。