さぁ、オレと恋をしてみようか

売り場の人は売らなきゃいけないんだから、こうやって言うのは当たり前。


でも、お世辞だとわかってるのに、嬉しくなってしまうのがオンナ心。


「最初は、お客様は黒のイメージではなかったんです。清楚な印象を受けましたので。でも、男性が選ぶと、またチガウ雰囲気になるんですねぇ。勉強になりました」


そう、なんだ…。やっぱり、女性目線と男性目線ってチガウんだなぁ、とお姉さんの言葉を聞いて、改めて思った。


「あの、真守さん。やっぱり自分で買いますから」
「ダメ。オレに買わせてよ」


試着室を出ると真っ先に、真守さんの元へ行き、自分で買うことを伝えてみたものの、千織さんに似ていて、頑固、譲らない。


そして、モタモタしてるうちに、真守さんがお金を払ってしまった…。


「さて、じゃあ。お茶、付き合ってくれる?」
「……はい」


結局わたしは、お金を払わないまま近くの喫茶店へと、やってきてしまった。


お互いコーヒーを注文して、それが来るのを待つ。